ブックタイトル14hint

ページ
15/36

このページは 14hint の電子ブックに掲載されている15ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

14hint

ふじのくに なでしこ企業100 宣言事業15クローズアップ 企業の成長を握るのは 松田社長自身は結婚したばかりの頃、妻に働いてほしいと伝えたそうだ。当時勤務していた会社では残業が多く、毎晩遅くまで働いていた。その間、妻が自分の帰りを家でひたすら待つのではなく、仕事など、自分の世界も持っていてほしいという気持ちがあったからだと言う。しかし、家事や育児に関しては妻に任せたい、という気持ちもあった。今から30年以上も前は、そういう時代だったのだそうだ。 では、起業後、働く女性を支援する体制を作ったきっかけは何だったのか。尋ねてみると「女性だけを支援していこうと思ったことはない」という答えが返ってきた。社員が頑張ってくれて、それぞれが期待以上の仕事をしてくれる。それを評価して管理職などのポストに就かせる。「気づいたら、女性管理職が50%になっていた」そうだ。信頼に足る働きをしてくれる女性社員がたくさんいるのだから、彼女たちが働きやすい制度を作っていくのは当然、松田社長はそう考えたと言う。ここには社長の「個」を評価し、従来の概念にとらわれない「時流適合」の姿勢が見える。 従来の概念にとらわれない、と言えば、広報・マーケティング室の鈴木あゆみ室長がその筆頭として挙げられる。管理職と言っても、自分の意見を主張するのではなく、まずは相手の意見を汲み取る。一歩引いて相手の気持ちに寄り添う。「配慮型のマネジメント」ができる女性管理職だ。 そんな鈴木さんでも、初めは手本となる人が周りになく、できるのだろうかと不安に思ったこともあったそうだ。しかし、「やりたくてもやれない人もいる。チャンスをもらったなら挑戦してみよう」と思い直し、どこまで頑張れるか、限られた機会をいかそうと考えたと言う。そして今、大切にしているのは「自分らしさ」であり、「女性らしさ」。肩肘を張って男性管理職と競い、同じことをする必要はなく、自分のペースで仕事と向き合えばよいと思っている。鈴木さんのような管理職がいることが、女性社員の安心感にもつながっているのではないだろうか。 現在管理職となっている女性社員の多くは、結婚や出産を機に一度退社、育児などの負担が軽くなる5~6年後に、職場復帰を果たしている。主には会社からの働きかけによるもので、松田社長は、そのような女性社員に「いつ戻ってくるの?」「よかったらまた正社員になってはどう?」など、フランクに言葉をかけてきたと言う。今はクラウド環境の整備などにより、仕事の情報共有が日報システムなどで容易にできるようになった。また、制作業務では、作業時間は仕事の質に必ずしも比例しない。何らかの制約を抱える社員でも問題なく働くことのできる状況が、サンロフトにはある。  また、今後は産休・育休などの制度を整備して、女性社員が途中で辞めることなく、その人らしい働き方で長く続けてほしいというのが松田社長の願いだ。家庭と仕事を両立してきた女性社員の意見を聞き、社会保険労務士などの専門家とも話し合って制度を作っている。在宅ワークやエキスパートコースなど、それぞれの事情や適性、ライフステージに応じた勤務体系ができたのにはこうした背景がある。 そして、何よりも、一人ひとりを「人財」としてみる姿勢が、社員の「ここで働き続けたい」と言う気持ちを生み出しているのだろうと感じる。松田社長の持論は「社員が喜ぶ、それが一番」。会社で働いている以上、楽しい仕事ばかりではないし、面倒なこともある。しかし、それも全部含めて、社員にはイキイキと働いてほしい。それが社内の雰囲気そのものがイキイキとしている、ベストな状態につながるのだと考えているそうだ。こうした気持ちがあるからこそ、社員一人ひとりと向き合って、それぞれに合った対応をすることに積極的に取り組めるのだ。 サンロフトは「女性管理職5割」や「女性が活躍する企業」などといった点で注目されることも多い。しかしそれは、自分が昔から大事にしてきた人材活用に対する考え方が、「女性活躍推進」という現在の時流にふさわしいものになっただけである、と松田社長は感じている。「女性活躍推進」なんて、考えていなかった従来型にこだわらない、配慮型マネジメント個にあわせた、新しい働き方を